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「カードバトラー」

 投稿者:wataru  投稿日:2007年 8月17日(金)14時19分18秒
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   私の名前はメイ・リンミン。12歳。今、友達の 義大 勇君(11歳)の
カードバトル世界大会決勝戦(東京ドーム)にセコンドとして立ち会っている。
でも私、実はカードバトルのことはさっぱりわからないまま参加している。前日

「こんな大事な試合に・・・私なんかよりもっと・・・」

と言って辞退しようとしたけど、勇君は

「大事な試合だからこそ、メイ・・・君が必要なんだ」

って言ってくれた。この言葉に感動してセコンドを引き受けてしまった。
 ちょっと前まで知識ゼロだったカードバトル。でも、これまでの予選、
準決勝の試合の様子を見て少しだけ理解できた。

 カードの絵柄は千差万別。中世風の鎧や剣、怪獣に妖精。それだけじゃなく
近代的な銃、戦車、戦闘機。かと思ったら特撮ヒーローやアニメのキャラ
まで何でもありあり。どうもこれらはトレーディングカードの類で、世界観は
特に限定されていないらしい。ルールはターン制で、交互にカードを出し合い、
相手より強いカードを出したほうが勝ち。ところがカードには強さや防御力の
数値が示されていない。勝敗は5人のジャッジ(持ち点一人当たり10)と会場
5万人の観客の50/50の割合で判定される。つまり、カードの絵柄をあくまで
も主観的に評価するシステムになっている。なので結果はカードを開示した後
もプレーヤーの予想どおりになるとは限らない。場の空気と、それによる
カードの印象が重要なキーとなる。

 緊張のバトルはつづく。勇君の決勝の相手は世界チャンピオン、ロドリゲス・ドヌンコ(16歳)。
2人とも一進一退の攻防。そして決着がつかぬままサドンデスマッチへ。先に一勝したほうが勝ち。
何度もドローが続き、手持ちのカードの枚数が徐々に減っていく。勇君は極度のストレスと披露
からか、かなり顔色が悪い。対するロドリゲスは色黒なのでコンディションのほどは
わからない。セコンドに出来ることは、ゴルフのキャディーとほぼ同じ。プレイヤー
に的確なアドバイスを与えるほか緊張をほぐす重要な役割を担う。

 さあ、ついに2人の持ち札はわずか数枚ずつとなってしまった。選択肢は限られている。
ロドリゲスの攻撃。切り札は「小公女セーラのダイヤモンド鉱山の権利書」カード!。時価300万円の
超激レアカードだ。おおおおおお・・・・・・  会場内、大きなざわめきがこだまする。
貧しい幼少年時代をおくってきたロドリゲスの渾身の一撃。一方勇君の残りのカードは、
とほほ・・・大したものが残っていない。前半で「ガンドロワ」カードを使ってしまったのが
痛かった。ここで確実に勝利しないと、次のターンでの勝ち目は無い。迷っていると、突然
勇君が倒れてしまった。抱き起こし額に触れると凄い熱。披露がピークに達してしまったのだろう。
なんという虚弱体質。カード集めばっかりやっていて運動をせず、偏食していたせいだ。勇君は私に

「メイ、最後のカードは君が選んでくれ」

と哀願する。が、しかし・・・選んでくれと言われても・・・本当にショボイのしか残ってない。
困った、どうする?。ロドリゲスのカードは「ダイヤモンド鉱山の権利書」。「小公女セーラ」の
物語の中ではまさに一発逆転の必殺アイテムだ。例えこちらに「ガンドロワ」が残っていたとしても
劇中での役割からして勝ち目は無かった。ガンドロワはイデオンと刺し違えているから勝利の象徴
としてのイメージは薄い。「ダイヤモンド鉱山の権利書」の弱点は何か無いのか?。ダイヤモンド鉱山
・・・鉱山ゆえ、資源の有限性。物語の時代背景からして貿易も限られはず。時間、地域、民族の
垣根を超えた富。あるいは富に匹敵する何か。ロドリゲスに勝つには、そんなカードを出すしかない。

 私は意を決して一枚のカードを選んだ。

「いくわよっ!」

バシィッ!  私が 勢い良くデッキに叩きつけたカード、それは私がよく知らない萌えキャラ
(多分エロゲーかなにか)が男の子のチ○コをくわえている「モエりんのフェ○チオ」カードだ!。

 正直子供の私にはこのカードに描かれている行為が何なのかよくわからない。しかし、他に
残ったカードは、しょうもない「クレクレタコラ」や「ブースカ」といった懐古趣味的な意味の
無いものばかり。これに比べれば「モエりん」カードは背徳的でなんか凄いっていう気がした。

 周囲から 「マジかよ・・・」って声が聞こえてくる。失敗したか?。私は不安からか、
無意識に勇君の手を握り締めていた。そしていよいよ判定がくだされる。

 「ダイヤモンド鉱山の権利書」カード対「モエりんのフェ○チオ」カード・・・・
ジャッジ、30対20・・・・観客、10対40・・・・・合計、40対60で・・・・・・・
「モエりんのフェ○チオ」カードの勝ち!、義大 勇君の優勝です!。新世界チャンピオンの誕生です!。

 観客総立ち。割れんばかりの拍手喝さい。

それにしても、なぜ私達は勝てたのだろうか?。後日、ロドリゲスと面会し話す機会を得た。
ロドリゲスによれば、じつは彼も最後に「モエりん」カードを数枚持っていたという。しかも
それは「モエりんのハードコア」カード。それを先に切られていたら私達は負けていただろう。
ロドリゲスにとっては、自分の国の街中で日常的に行われているS○Xよりもダイヤモンド鉱山の権利書
の方が魅力的で勝てると思ったのだ。しかし、今大会の会場は飽食の国日本。観客の大半は童貞のオタク。
オタクたちは、ダイヤモンド鉱山の権利書をナンセンスとし、今そこにある快楽を選んだの
だった。実力はロドリゲスが上回っていたが、私達は文化の違いに助けられたのだ。勇君曰く

 「アウェイにはアウェイの、ホームにはホームの戦い方がある」

 カードバトルのなんという奥の深さ。私はもっともっと研究して、義大 勇君をこれからも
サポートしていく。


 あとがき・・・・小生、遊戯王とかに代表されるカードゲームについての知識はまったくゼロ。
多分、こんな感じなんじゃないかなぁという妄想で書いてみた。どうだろか、けっこう当たってる
かな?。
 
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