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ロボット婦警

 投稿者:wataru  投稿日:2007年10月 8日(月)00時39分57秒
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   ダイアナは人間の女そっくりのロボットだった。産毛、白い肌から
透けて見える血管、青い瞳、ソバカス、喋り方。何もかも人間くさい。
もしかしたら俺なんかよりもずっと人間に近いかもしれない。

 相棒はもうはいらないと言ったのに、あてつけのつもりか所長の奴、
こんどはロボットを俺にあてがうとは。まあ、今までに俺は相棒を5人も
殉職させてしまっている。所長は「ロボットなら気を使う必要がなくていいだろ」
というが、だったらもっと出来の悪い、男型にしてくれればいいのに。
ともかく俺はもともと一人でもやっていけるんだ。人間だろうと、ロボットだろうと
相棒なんてのは、足手まといになるだけだ。

 そして早くも修羅場到来。ダイアナが衛星画像を見せながら状況を説明する。

 「完全に包囲されました。敵は重武装。対戦車砲も所持しています」

 「お前だけでも先に逃げたらどうだ。俊足なんだろ」

 「何を言っているのですか?。私がおとりになって出て行くことは作戦として
 あるかもしれませんが、ただあなたをおいて逃げるなどということは、ありえません」

 「いや、なんていうか、俺は大丈夫なんだよ」

 「いいえ、いざと言う時は私が盾になります」

ロボットとはいえ、女にこんな事を言われるのは初めてで、いささか気が引けた。
俺達が隠れている建物に、敵が侵入してきた。このままでは2人とも蜂の巣にされる。
俺とダイアナは一か八かで建物の窓から外に飛び出す。それと同時に四方から
弾丸が飛び交った。そしてどうにもかわしきれなくなっとところで、俺はダイアナを
かばい、背中に無数の銃弾を受けた。

 「どうしてっ!・・・私をかばうなんて!?」

ダイアナは俺の肩を担いで、全速力でその場から逃走した。追っ手をまくとポーチから
救急キットをとりだし、俺を手当てしようとした。

 「大丈夫だよ、ちょっと衝撃を食らったが、全部防弾チョッキに当たったから」

 「嘘です!。弾は右肩にも当たっているはずです。傷を見せてください」

 「本当に大丈夫なんだ。心配いらないよ。ほら・・・」

俺は袖をまくって右肩を見せた。

 「本当・・・ でもなぜ?」

 「俺は、こういう体質なんだ。銃で撃たれようと、刀で切り付けられようと、俺の体は
  傷つくことはない。いかなる兵器も俺には通用しないんだ」

この俺の秘密を知るものは少ない。警察署所長とラボの研究員しか、俺が異能者であることを
知らない。ダイアナはまだ理解しかねるといった表情をうかべていた。

 「それでも・・・私をかばうのは間違っています。人間を守るのが私の役目ですから、
 これでは立場が逆です。以後、このようなことがないようにお願いします」

 「ああ、わかったよ」

俺のこの返事は嘘であった。完全に敵中突破を果すまで、俺はダイアナを守り続けた。
そして、この日を境にダイアナの心にある変化が生じた。今まで恐れを知らなかった
ダイアナの心に初めて恐怖の感情が芽生えたのである。
 
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